2010年7月21日水曜日

臥薪嘗胆

中国の春秋時代に斉、晋、楚、呉、越の5つの強国があった。

呉王のこうりょは越に攻め込み戦死。

王位をついだ息子の夫差は
薪の上で寝て、自分のもとを訪れる相手に必ず「忘れるな父は越に殺された」と言わせて仇討ちを誓った。


紀元前494年夫差は夫椒山で越を破った。


越王の勾践は
「私は王の臣下に、妻は妾となります」
と投降した。


夫差のブレーン 伍子しょは

「後に禍根を残さないようにすべきです」

と進言したが大臣のはくひが越の工作をうけて

「敗者には寛大な処置を」

ととりなした。

越に戻った勾践は寝所に吊り下げた苦い肝を嘗めては

「会稽山での無念さを忘れるな」

と自らに言い聞かせた。

呉の夫差は
「進言を拒まれた伍子しょが王を恨んでいる」
というはくひの讒言を信じて伍子しょに剣を与えた。

その意味を悟った伍子しょは
「やがて呉は滅びる」
と言い残して死んだ。


勾践は越の統治を側近の文種に委ねて、ひたすら呉を攻略するための戦略を練った。

まず国を富ませることに10年の歳月をそそいだ。
次に軍事参謀のはんれいとともに、兵を鍛え、国人を鍛えるのに10年かけた。


紀元前472年ついに勾践は呉に攻め込んだ。


夫差は3度勾践に敗れて和平を申しいれたが
はんれいの進言によって拒まれ

「伍子しょが正しかった」

と命を絶った。


勝利への執念の強い者が勝。

勾践の勝利には

敗れた時が次の勝利へのチャンスである。敵は油断している。
そこに勝機がひそむ。
周到に準備をすれば勝ちは呼び込める。


本当の敗北は立ち上がるのを諦めること。

1度ダウンしても戦いは終わっていない。


立ち上がってファイティングポーズを取る。

敵を見据え挑み続ける。

それが出来ればすでに勝っているといってもいい。


執念の成分は
自分を諦めない気持ちと挑み続ける心。


古典に学ぶ
アジアの智恵
村上 政彦 より抜粋
感動の歴女

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